WordPress中級者

製作会社のプロが教えるホームページ制作におけるよくあるトラブルと対処法〜5大特集〜

イチカワ
公開
2020年4月30日
目次
ここのURLをクリップボードにコピー(copied!)

トラブルはつきもの!大切な心構え

どんな仕事でもトラブルはつきものです。

もちろん何事も無く納品ができ、お客様(=依頼主)に喜んでもらえる事が一番ですし、誰もがそれを願っていますが、残念ながら現実はそうとはいきません‥‥。

なぜなら、作り手と依頼主、双方の事情(プライベート含む)があるからです。

ここでいう事情とは、突発的なアクシデントから、業界の違いによる認識など、あらゆる事柄を指しています。
特にホームページは、今やどのような業界でも必須のものであるため、お客様の業界も多岐にわたってきます

そのため、ホームページ制作業界では当たり前の事が、お客様の業界ではそうでなかったり、同じ用語でも、双方で異なる意味合いになる場面も出てきます。
業界ごとの特色を理解し、専門用語を学ぶことで、お客様とのやりとりをスムーズにすることが理想ですが、そうはいきません。

製作者とお客様が双方歩み寄ること=対等な関係であること

が最も重要だと考えております。
仕事において、どちらが偉いなどということはあってはなりません。

其の一:制作者は、ホームページ制作のプロとして、ミスの無いよう日々さまざまな情報をインプットするべし
其の二:双方がトラブルが起きないよう、事前に細かく認識をすり合わせるべし
其の三:万が一トラブルの際には、双方が解決に向けてポジティブない議論をするべし

すべては最高のホームページのためにです。
ここでは1つでもトラブルを減らせるよう、私たちならではの知見と対策をご紹介いたします。

よくあるトラブルと、その対処法

聞いてない!知らなかった!などの確認ミス

ホームページ制作において最も多いトラブルの1つです。

  • お願いしていたはずの機能ができていない
  • 思っていたデザインと違う

などのトラブルが後から起きてきます。
これらの確認は事前の確認ミスによる認識のズレが原因となり起きます。

どれだけ仲が良い友達やお客様であっても、

  • 見積書、契約書のやり取り
  • 仕様書(メモ)の書面化、双方での確認作業

を必ず行いましょう。

ホームページ制作を依頼されたら、見積書と契約書は必ず作りましょう!

少しの作業だから、費用が安いから、といった理由で省略することが一番危険です。
トラブルの大小は、作業や費用の大小には比例しません。

信頼関係が構築されている間柄だからこそ、行うべきフローと思って下さい。

急な変更、仕様の追加、お願いがどんどん増えて制作が終わらない!

認識のズレと同じくらい起きるトラブルがこちら。

制作者としては、出来る限りお客様の要望をふんだんに取り入れたいところですが、
すべての要望を聞いてしまうと、

  • 納期がずれてしまう
  • コストがかかってしまう(赤字になってしまう)
  • バグが多発してしまう
  • デザインのクオリティが落ちてしまう

などとなり、結果としてお客様に納品するホームページ全体のクオリティが下がってしまうことになりかねません。

これらのトラブルが起きてしまう原因は、

  • 制作者とお客様の双方で作業範囲(=スコープ)の細かいすり合わせができていない
  • 決められた以上の対応には、時間もしくは費用がかかることをお客様に伝えていない
  • お客様にとって、修正や変更に制作者にどれくらいの時間や労力がかかるか把握しづらい

ことが挙げられます。
先にもあったように、トラブルにならない対策として

  • 作業内容が細かく書かれた見積書、もしくは契約書
  • 決められた作業以上の対応には、時間もしくは費用が追加となる可能性があると記載された見積書も、もしくは契約書を用意する

この2点を直接確認いただくこと(メールにか書いてありますや、見積書の備考欄に書いてありますなどの雑対応は絶対にNG!!!) が重要です。
とはいえ、やっぱりお客様の希望には応えたいもの‥‥。

少し寝る時間が遅くなっても、より良いホームページになるよう努力することがプロの立場として大事だと、私は思います。

どうしても納期に間に合わない。。。

  • 納品日の数日前になって作業が終わっていない*
  • 知り合いだし、納品日が1日くらい遅れても許してくれるだろう

※緊急案件などの特殊な納期設定は除きます

こんなパターンは最悪です。あってはなりません。
これらの原因はずばり、作業スケジュールの管理ミス、見積ミスです。

ホームページ制作を依頼されたら、毎日作業工程を確認しましょう。

工数の的確な見積もりと、プラスして2割以上の余裕(バッファ)をもたせる

ホームページ制作における第一歩は、工数を的確に見積もることです。
これを大きく間違えてしまうと、いくら高いスキルがあっても良いホームページを作ることはできません。

工数見積りを正確にするためには、次の作業が最低限必要になります。

  • 1つ1つの作業を細かく分解して考える・・・作業の洗い出し/抜け漏れがないかの確認
  • 作業を分類して考える(例:デザイン、フロントコーディング、公開作業 など) ・・・ 担当者のスケジューリングなどに利用できる
  • 経験値を積む・・・見積に関する質問にすぐ返答できたり、肌感で工数がかかりすぎなどの異常値の判断が可能になる

これらを行ってもなお、スケジューリングのミスはどうしても起きます。
日頃の業務では、お客様からのお問い合わせ対応や突発的なトラブルなど、制作だけの時間を続けることは難しいからです。

そのため、見積もった工数の2割は最低でも上乗せして見積もることをオススメします。

作業工程は毎日確認する

見積もられたスケジュールに対し、作業がスムーズに確認する必要があります。
頭の中では「大丈夫」と思っていても、後から手遅れになってしまうトラブルが起きることがよくあります。

例えば…

  • ホームページ内で利用する別サービスには事前登録が必要で、アカウント発行まで1ヶ月かかることが後から分かった
  • ホームページ内で利用するためのイラスト素材の調達を忘れていた
  • 仕様を満たすためには必要な機能が漏れていたことに実装途中で気づいた

これらのトラブルは発見が早ければ早いほど、解決できる可能性が高くなります。
そのため、制作がスケジュールどおりに進んでいるかどうか、必ず毎日確認しましょう。

そして見積ミスや、作業の遅延があった場合は発見時にすぐにお客様に報告し、対応策と対応内容をしっかりと共有しましょう。

期限になっても制作費が支払われない!

振込期日になっても入金ない!というトラブルも起こります。

契約書にも「期日までに必ず払うこと」「支払いが遅れた場合の遅延金」についても記載があるはずですが、かといって1日遅れた際にすぐに遅延金を請求するというのも心苦しいかと思います。

制作費の支払いは、「毎月または何分割してお支払い」もしくは「制作後に一括お支払い」のパターンが多いかと思います。

これらは飲食店や小売業と違い、売掛(=後払い)であるため、1日でも入金が遅れると外注費やスタッフへの支払いもあるため困ってしまいます。
特にお金に関するトラブルが後味も悪くなってしまうので、しっかりとした対策と対応をするべきです。

翌日に連絡をとってみる

入金が確認できない場合、翌日すぐにお客様に確認の連絡を取ってみます。
基本的には「支払い忘れ」や「請求書が経理に渡っていなかった」などのミスが原因となっているため、すぐに支払い処理をしてくれるでしょう。

できるだけ先払いにしてもらう

支払い遅延のリスクを最も抑えるには、お客様に制作費をできるだけ前払いしていただく事です。
しかしながらこれらはお客様側に大きなリスクがあるため、納得いただけない場合が多いかと思います。

お支払いいただくタイミングは必ず見積書に記載し、発注前に双方で確認しましょう

逆に、全額前払いはトラブルの元になる場合もあるため、適度な分割をオススメします。

お客様依頼主と連絡が取れなくなった

滅多に無いトラブルですが、いわゆる「逃げられる」トラブルです。
これらも契約書をしっかりと交わしておけば、制作に費やした費用や損害は請求できる可能性が高いため、トラブルを事前にある程度防ぐことができます。

契約書は必ず締結し、かつトラブルをできるだけ未然に防げるような内容をしっかりと準備しましょう。

まとめ

トラブルを起こさないように常に注意し、対策と対応をすることでトラブルは確実に減っていきます
すべては最高のホームページのために、私たちも技術的な側面だけではなく、制作に関するすべてのトラブルシューティングを日々アップデートしていきます。

  • 製作者と依頼者は双方歩み寄る姿勢を大切にし、対等な関係であることを意識する
  • お客様が友達でも、慣れ親しんだ取引先でも見積書」「契約書の締結」は必ず行う
  • 決められた作業以上の対応には、時間もしくは費用が追加となる可能性があることをお客様にご理解いただく
  • 工数の見積もりを的確に行い、2割以上のバッファを持たせる
  • 見積ミスや、作業の遅延があった場合は発見時にすぐにお客様に報告し、対応策と対応内容をしっかりと共有する
  • 制作費をできるだけ前払いしていただくように打診する
製作会社のプロが教えるホームページ制作におけるよくあるトラブルと対処法〜5大特集〜
イチカワ(WordPress師範代)