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MW WP Formが終了!切り替えにベストなプラグインと検証(※2024/01/16 追記あり)

イチカワ
更新
2024年1月16日(2023年9月12日 公開)
目次
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結論をお急ぎの方はこちら

はじめに

お問い合わせフォームプラグイン『MW WP Form』の開発者キタジマタカシさん曰く

  • MW WP Formのクローズ(開発•配布終了)に向けて動いている → メンテンナンスを引き継ぐ方が決定
  • Twitterやプラグイン公式ページでは終了についてのアナウンスを開始している
  • すぐに使えなくなるというわけではない
  • 実際の停止時期は未定
  • 停止するとプラグイン自体の公式ページがなくなり、プラグインダウンロードもできなくなる
  • 万が一脆弱性が見つかった場合、アップデートやサポートはなくなるため、実質サイトにとってはセキュリティリスクとなる

こちらの記事では、MW WP Formクローズ情報と、切り替えに向けたベストプラクティスを私なりにまとめてみました。
※実際の切り替え後の運用については議論できていないため、今後こちらの記事でアップデートしていきたいと思います

MW WP Formクローズについてのアナウンス

【2024/01/16追記】株式会社Webの相談所 がメンテナンスを引き継ぐことに

神戸市にある「株式会社Webの相談所」さんがプラグインのメンテンナスを引き継がれることになりました!

しかしながらメンテナンスの継続の「一般ユーザーさんを対象」としており、制作会社は別の「プラグインに移行」しましょうは変わらない点に注意。
制作会社はMW WP Formの新規採用はやめ、使用している場合も早目に他に移行を推奨 というアナウンスに変わりはないとのことです。

実際にWebの相談所さんから、脆弱性に対するアップデートが昨年末に出されています。

開発者ツイートによるアナウンス

とりあえず、Smart Custom Fields と MW WP Form はクローズに向けて動こうと思います。どちらも公式ディレクトリでのユーザー数が一定を超えていて自分ではクローズできないということみたいなので、ちょっといついつにクローズしますと名言はできませんが、一応そういう方向性でいこうと思います。

引用:https://twitter.com/inc2734/status/1700388299444252998

キタジマタカシ開発のプラグイン1種類と併せて、お問い合わせフォームプラグイン『MW WP Form』もクローズに向けて本格的に動き出しをされるそうです。

公式ページでのアナウンス

公式ページでも大々的にアナウンスされています。

MW WP Form の開発は脆弱性対応を除き停止しています。新しい機能が追加されたり、WordPress がアップデートするたびに動作確認をすることはありません。他のプラグインへの乗り換えをご検討ください。

※なお、WordPressプラグインページにはクローズに関する記述はなし

Podcastでの発言(hook_wp)

なぜクローズしようと思ったのかまとめ

  • ここ何年か、MW WP Formの新規開発は行っていなかった
  • 使わない方が良いですよ、脆弱性の対応はするが、機能が追加されることは無いと言ってきた
  • とはいえ公式サイトにも書いていないし、WordPressプラグインページにも書いていない
  • 言ってるだけでは届かない、新規で使い始める人を止める必要がある
  • (サポートならびに配布を)止めないと終わらないという結論に至った

アクティブユーザーが2万を超えているプラグイン*はWordPressのプラグインチームにメールをしてクローズについての相談をするという過程が必要とのこと。(※MW WP Formは20万ユーザー)

よって、現時点では明確な停止の日程が決まっているわけではないとのことです。

停止後もMW WP Formを使い続けるとどうなるか

重要度1:サイトのセキュリティ面でリスクとなる可能性が出てくる

Podcastでも述べられていますが、今後プラグインなどに脆弱性が見つかった場合、アップデートやサポートはなくなるため、自力ではセキュリティホールを埋められなくなる可能性が出てきます。

特にお問い合わせフォームはエンドユーザーからの送信データを扱うプラグインのため、脆弱性に対する対応は必須であり、対応がなくなるとなると、時間を重ねるごとにリスクが増してくるといえるでしょう。

よってお問い合わせプラグインの切り替えを早急に検討・実施する必要があります。

重要度2:PHPやWordPressのバージョン変更に耐えられず不具合を起こす可能性がある

PHPやWordPressのバージョンアップに伴いプラグインのアップデートも必要となった場合、MW WP Formの配布自体が終了するため、プラグインアップデート自体もできなくなります。

よって旧バージョンのプラグインのため、サイト全体もしくはお問い合わせフォームが正常に動作しなくなる可能性が出てきます。

プラグインがアップデート不可のためにWordPressやPHP自体がバージョンアップできないとなると、さらに大きな問題となる可能性があります。

重要度3:プラグインファイル一式をバックアップしておく必要がある

プラグインの配布が止まると、新規でプラグインをインストールすることができなくなります。

手持ちのプラグインファイル一式から有効化することは可能ですが、保有しているバージョンのみとなるため、手元にプラグインファイルが無い場合、別サイトで新たにMW WP Formを利用することができなくなります。

※重要度1、2で記述した通り、新規サイトでクローズしたプラグインの導入は推奨できません

制作会社はどうするべきか

代替のプラグインの選定

今後、新規ならびに現在稼働しているサイトにおいて、プラグインの変更を余儀なくされます。
他の方のツイートなどを参考に、代替となるプラグインを検証したいと思います。

代替プラグインに求めること

MW WP Formを利用してきた方にとって、代替となるプラグインでは以下について求められると考えます。

  • 設置が比較的容易であること(PHPやHTMLでがっつり開発を行う必要がない)
  • 入力内容の確認画面、完了画面が設置できること
  • スパム対策ができること
  • 入力値のチェック(バリデーション)が行えること
  • エンドユーザーからの送信履歴がデータベースに保存されること

プラグインを要件別で比較してみる

お問い合わせフォームの定番である「Contact Form 7」と、MW WP Formと同じ開発者キタジマさんが作った「Snow Monkey Forms」について比較してみました。

少ない項目数、入力値のチェック(バリデーション)が簡易的なお問い合わせフォームの場合は「Snow Monkey Forms」で問題ありませんが、細やかな設定を行っている/行いたい場合や送信履歴の保存をしたい場合は「Contact Form 7」を利用すると良いでしょう

代替プラグインの比較表

比較項目 Snow Monkey Forms Contact Form 7
設置の容易さ

エディタの制限

あり

※ブロックエディタ(Gutenberg)利用が必須

なし

確認画面・完了画面

※標準で用意されている

※別プラグイン「Contact Form 7 Multi-Step Forms」が必要

スパム対策(reCAPTCHA)

※別プラグイン「reCAPTCHA for MW WP Form」が必要

※標準で用意

入力値バリデーション

※必須項目あり/なし のみ

※HTML5属性に基づく設定が可能

送信履歴の保存

※別プラグイン「Flamingo」などに導入が必要

総評 簡易的なお問い合わせフォームの場合、設置がとても楽 細やかな設定や・送信履歴の保存が必要な場合

代替案1:Contact Form 7

https://ja.wordpress.org/plugins/contact-form-7/

みなさんご存知、定番のメールフォーム用プラグインです。

  • ショートコードで動作するため、最新のWordPresssエディタでも、旧エディタ(例:Classic Editorプラグイン)でも動作する
  • MW WP Formのバリデーション機能にある文字数チェックなどの仕様が若干異なる

利用にあたっての注意点

バリデーションについて

MW WP Formのバリデーション機能にある文字数チェックなどの仕様が若干異なるため、動作が変更になる点だけ理解をしておく必要があります。

  • MW WP Form・・・・・  プラグイン側で文字数制限などが可能
  • Contact Form 7・・・・  HTML5 属性に基づく文字数制限のみ(例:maxlength)

よって、MW WP Formのバリデーション設定で文字数範囲を「〜50」とした場合、文字数は50文字以上入れられるが、送信ボタンを押した際にバリデーションエラーとなるメッセージが表示される。

対してContact Form 7の場合、maxlength値などでの制限となるため、そもそも50文字以上の文字が入力できません。
若干の違いですが、理解をしておく必要がありそうです。

入力内容確認・送信完了画面について

MW WP Formとは違い、Contact Form 7では入力内容確認画面や送信完了画面が標準では用意されていません

また、便利なプラグインが用意されているが、開発者は異なります。

よって、Contact Form 7へプラグインを変更する場合、別プラグイン「Contact Form 7 Multi-Step Forms」をインストール・設定をして構築する必要があります。

Contact Form 7 Multi-Step Forms:https://ja.wordpress.org/plugins/contact-form-7-multi-step-module/

気になるサポートですが、有効インストール数3万件を超えており、WordPress 6.2.2との互換性があります。2023年に入ってからもアップデートされているため、比較的安心して使用することが可能だと思っています。

使い方

以下のページに詳しく掲載がされています。

使い方の参考1

【完全版】Contact Form 7の基本と使い方まとめ|WordPressに問い合わせフォームを設置しよう
https://form.run/media/contents/website-lp-creation/contact-form-7/

使い方の参考2

Contact Form 7で確認画面とサンクスページを作る方法
https://www.xserver.ne.jp/bizhp/contact-form-7-confirm-thanks/

CSSの変更

MW WP Formと付与されるHTML構造ならびにclass名が大きく変更になるため、ほとんどの場合でCSS側の修正が必要となります。

またエラーメッセージについても取り扱いが異なるため、入力〜送信完了まですべての見直し・チェックが必要になります。

代替案2:Snow Monkey Forms

https://ja.wordpress.org/plugins/snow-monkey-forms/

MW WP Formの開発者キタジマさんが開発されているお問い合わせフォームプラグイン「Snow Monkey Forms」です。

利用にあたっての注意点としては、

  • WordPress必須バージョンが6.3以上
  • ブロックエディタ利用前提のため、旧エディタが使える「Classic Editor」プラグインは利用できない(停止する必要がある)
  • MW WP Formにはあったバリデーションの文字数チェックなどは使えず、「必須」の有無のみとなる

利用にあたっての注意点

バリデーションについて

本プラグインの使用方法としては、ほとんどMW WP Formと同様であり、設定などはMW WP Formのものと同一の値を設定することで設置は問題なくできますが、バリデーションはMW WP Formよりも簡素なもので、入力値が必須かどうかのみが設定できるものになっています。

よって、以前のように細かい文字数制限や添付ファイルの制限などを設定することができなくなります

WordPressのバージョンアップについて

Snow Monkey Formsの動作条件となるWordPress必須バージョンは「6.3以上」のため、最新版6.3.1(※2023年9月11日時点)へのアップデートが前提となります。

よって、まずはWordPressのアップデートから始める必要があるため、他のプラグインの動作確認など、WordPressのバージョンアップに伴うサイト全体の動作確認を行う必要が出てきます。

運用している環境とは別の環境で一度チェックを行う必要があります。

ブロックエディタの使用について

Snow Monkey Formsはブロックエディタでのフォーム作成プラグインとなるため、Gutenbergのブロックエディタ機能を打ち消すためのプラグイン「Classic Editor*」を利用されている方は使用できません。

※なお、Classic Editorは2023年2月18日時点で、「少なくとも2024年末までサポートされるが、必要がなくなった時点で公式サポート終了する」と明記してある (参考:Classic Editorはいつまで使える?)

Classic Editorの利用が前提となっている場合、サイト運営者のエディタ利用方法が大きく変更になるため、まずはエディタ変更のご案内から始めることが必要となります。

  • Classic Editor・・・WordPressバージョン4.9までのデフォルトのエディタ
  • Gutenberg・・・・ WordPressバージョン5.0から採用された新しいエディタ

送信履歴について

MW WP Formでは、プラグインの機能として送信履歴をデータベースに保存できる機能が存在していました。
Snow Monkey Formsでは、送信データの履歴の保存機能について、確認ができませんでした。

よってプラグインの切り替えを行うにあっては、MW WP Formで保存されていたデータは別途バックアップを取っておき、Snow Monkey Formsの運用開始以降は、送信履歴の取り扱いについて別途フローを組み直す(メールで担保するなど)などの検討が必要が出てきます。

使い方

以下のページに詳しく掲載がされています。

参考:Snow Monkey Formsでお問い合わせフォームを作る方法
https://www.xserver.ne.jp/bizhp/snow-monkey-forms/

CSSの変更

MW WP Formと付与されるHTML構造ならびにclass名が大きく変更になるため、ほとんどの場合でCSS側の修正が必要となります。

またエラーメッセージについても取り扱いが異なるため、入力〜送信完了まですべての見直し・チェックが必要になります。

まとめ・結論

  • MW WP Formのクローズに向けて動いているが、すぐに使えなくなるというわけではない。実際の停止時期は未定。
  • 万が一MW WP Formに脆弱性が見つかった場合、アップデートやサポートはなくなるため、使い続けることは実質サイトにとってはセキュリティリスクとなる
  • 停止するとプラグイン自体の公式ページがなくなり、プラグインダウンロードもできなくなる。
  • 簡易的なお問い合わせフォームの場合は、代替プラグインとして「Snow Monkey Forms」が良さそう
  • 細やかな設定を行いたい場合や送信履歴の保存をしたい場合は「Contact Form 7」を利用するのが良さそう
  • メンテンナスはWebの相談所さんが引き継いだが、制作会社はMW WP Formの新規採用はやめ、使用している場合も早目に他に移行を推奨というアナウンスに代わりはない

MW WP Formを含めたお問い合わせフォームまわりについてはこちらの記事で随時アップデートしていきます!

MW WP Formが終了!切り替えにベストなプラグインと検証(※2024/01/16 追記あり)
イチカワ(WordPress師範代)

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